「SUNTORY
マーメイド号」の設計コンセプトは環境保全の延長線上にありますが、長距離の航海になるため、効率の良さと信頼性の高さを求めました。全長約13メートル(43フィート)の船体には、吠える南緯40度、ケープ・ホーン海域、喜望峰沖、タスマン海など、険しい難所の航海に耐えられるよう、リサイクルアルミの中でも最高の強度を誇る5083を使用しています(住友軽金属工業提供)。
設計は「MALT'S マーメイド3号」に引き続き横山一郎氏が担当しました。
今回の設計において氏がポイントとしたのは、「単独無寄港世界一周」の長い距離、そして想像を絶する荒海をくぐり抜けねばならないという難易度の高い海路を少しでも速く、快適に帆走出来る安全性と操縦性でした。安全面ではバウ(船首)とスターン(船尾)に隔壁を設けることで、万が一氷山に衝突した際の船体への浸水防止を図ります。また環境への配慮として、船体にリサイクルアルミ5083を、セールにペットボトルリサイクル材、エコペット(帝人提供)を使用します。
動力源は風のみですが、万が一の氷山脱出のため緊急用エンジンを装備しています。このエンジンは電源確保にも使用出来ますが、あくまでも緊急時用であり、原則として航海では使用しません。
電源にはシャープ(株)の協力により太陽電池を採用していますが、燃料電池の併用も検討中です。
通信手段は船体に装備されたアマチュア無線と衛星電話を使用するため、気象情報の取得や子供達とのメール交換もインターネットでスムーズに行えます。
また今回はこのサイトで堀江自身の声による洋上の状況報告を配信出来ればと考えています。
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