「MALT'Sマーメイド3号」の電力供給は、現在のところ次世代のエネルギー「燃料電池」を使用する方向で検討が進んでいます。「燃料電池」は、天然ガスから取り出した水素と空気中の酸素を電気化学反応させて、水の電気分解とは逆の反応で電気を作る装置です。したがって、天然ガスと空気があれば、どこでも発電することができます。燃料電池は大気汚染の原因となる窒素酸化物(Nox)をほとんど発生しませんし、海の汚染とも無縁です。また、総合効率が高いので二酸化炭素(CO2)の発生も少なくなるなど、世界が注目する21世紀のクリーンエネルギーとして早期実用化が期待されています。「MALT'Sマーメイド3号」に必要な電源は、12V/20A(240W)と想定しており、これらの電気は航行に不可欠な航海灯ランプ(マスト最上部に設置)、ハム無線、パソコン、そして電灯などの生活電源として利用される予定です。また、パソコンによるインターネットの接続は、衛星電話(インマルサット)を使用します。燃料電池の搭載が難しい場合は、太陽電池や風力発電を利用する予定です。 |